アレルギー性鼻炎に効く注射とは?
▼花粉症の季節
つらい花粉症の季節が今年も、またやってきました。
現在、日本人の約20%の人が花粉症にかかっていると云われています。
▼花粉症はなぜ発症する?
まずは相手(花粉症)を知れということです。
▼花粉症のメカニズム
花粉症とは、花粉を抗原とするアレルギー性疾患のひとつであることは良く知られています。
その中でも、2月から始まり5月のゴールデン・ウィーク(GW)頃まで猛威を振るうスギ花粉が、その代表的な例です。
遺伝的にスギ花粉に敏感な体質の人が花粉に何度もさらされると、体内に抗体をつくります。
この、抗体が鼻の粘膜にある肥満細胞と結合します。花粉症などアレルギー反応の準備が完了した状態となります。
ここに、再びスギ花粉が体内に侵入すると肥満細胞に結合した抗体が抗原とみなされた花粉と結合し、抗原抗体反応が起きます。
この反応が刺激となって肥満細胞が活性化し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、神経、筋肉、血管などを刺激することで、くしゃみ、鼻水、頭重、目のかゆみ、涙目など不快なアレルギー反応をひき起こすのです。
これに、大気汚染、空気の乾燥、食生活の乱れ・睡眠不足などによる体調不良などが重なり症状を重くしてしまいます。
この花粉症に対抗するには、まず第一に花粉を遠ざけることです。
花粉と触れないように、マスク、メガネなどをして、花粉をシャットアウトします。
それから、帰宅時も、よく花粉を払ってから部屋に入ります。
手を洗い、うがいをして、できることなら眼も洗浄しましょう。
こうして花粉を遠ざけることは、非常に効果のある方法です。
さらに、病院へ行けば花粉症の治療をしてくれます。
薬をくれたり、注射をしてくれたりします。
薬は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などで症状を和らげてくれます。
注射はといえば、ステロイド注射が有名です。
しかし、ステロイドには効果とともに、副作用も強く、あまりおすすめできない理由もあります。
ステロイド以外に、最近脚光を浴びてきて、花粉症を完治できる可能性があるのが、体内の免疫力を高めるため、皮内注射をする減感作療法(げんかんさりょうほう)です。
アレルギー性鼻炎と減感作療法(げんかんさりょうほう)
花粉症はスギ花粉を抗原とするアレルギー性鼻炎です。
減感作療法(げんかんさりょうほう)は抗原となっているアレルゲン(スギ花粉)をすこしずつ皮内注射をすることによって、体を徐々に抗原に慣れさせていき、反応を抑えていくという考えで始められた治療法です。
自分の免疫力を高めて行くので、根本的治療に最も近い治療法といえます。
具体的な治療は、週に2回の注射を2〜4ヶ月続けたあと、週に1回の注射を4回、2週に1回の注射を4回行い、その後は1ヶ月に1度の注射を続けるというのが基本パターンです。
少なくとも2〜3年間注射を続けると、治療をやめても長期にわたり効果が持続するそうです。
通常行われている注射の値段(価格)は、1,000円程度(1回)で、保険適用外だと5,000円程度といわれています(診療の際には、確認してください)。
花粉症治療 減感作療法を行っている施行施設は?
減感作療法を短期間で済ませることができる療法は、今のところありません。
減感作療法自体が、アレルギー症状を起こす原因物質(花粉症の場合はスギ花粉など)のエキスを、長い時間をかけ少しずつ注射し、体を徐々に慣れさせていく治療法ですので、根気よく通院して治したいという強い気持ちがないと長続きしません。
さらに、減感作療法(げんかんさりょうほう)を受けられる医療機関(施行施設)は限られています。
現在、減感作療法(げんかんさりょうほう)を受けられる主な病院施設(施行施設)をご紹介します。
■東京都港区他
■東京都中央区
■東京都品川区
■東京都千代田区
■東京都杉並区
■東京都目黒区
■東京都西東京市
■神奈川県厚木市
■神奈川県小田原市
■埼玉県草加市
■前橋市川原町
■静岡県三島市
■大阪府高槻市
減感作療法(げんかんさりょうほう)を行う医院を紹介しましたが、ご自分の花粉症の具合や治療に費やせる時間、予算と期待する効果を良く見極めて、自己責任で決断してください。